はじめに:暗くなると、防犯力も下がる…?
防犯カメラを設置しようと考えたとき、「昼間はしっかり映るけど、夜はどうなるの?」という不安を感じたことはありませんか?
実は、防犯カメラの**「夜間性能」こそが、防犯力の差を大きく分けるポイント**です。夜間や薄暗い場所で何も映らないカメラでは、せっかくの設備も意味がありません。
そこで今回は、自宅や店舗、オフィスなどに防犯カメラを導入しようとしている方に向けて、夜間撮影に強いカメラを選ぶための赤外線・暗視機能の基礎知識をやさしく解説します。
夜間撮影に必要な“暗視機能”とは?
暗い場所でも映像を記録できるカメラには、専用の「暗視機能(ナイトビジョン)」が搭載されています。これにはいくつかの種類があり、それぞれ仕組みや性能が異なります。
主に使われているのが以下の3つ:
- 赤外線(IR)暗視
- 低照度カメラ(スターライトカメラ)
- 白色LED照明付きカメラ
それぞれの特徴を見ていきましょう。
赤外線暗視カメラの仕組みと特徴
赤外線(IR)とは?
赤外線とは、人の目には見えない波長の光のこと。暗闇でも赤外線を照射することで、モノや人の輪郭を白黒で捉えて映像化することができます。
特徴とメリット
- 完全な暗闇でも撮影可能(照明がゼロでもOK)
- コストパフォーマンスが高く、家庭用〜業務用まで幅広く対応
- 映像は白黒になるが、防犯記録には十分な視認性
注意点
- 距離が離れると赤外線が届かず、視認性が下がる
- 反射が強い場所では「白飛び(映像が真っ白になる)」が発生することも
- 赤外線LEDの数・照射距離によって性能が大きく変わる
選び方のコツ
- 最低でも10m以上の赤外線照射距離を確保するモデルがおすすめ
- 屋外設置なら30m以上の赤外線対応が望ましい
- 赤外線LEDの数や配置もチェックポイント
低照度カメラ(スターライトカメラ)の進化
スターライトとは?
スターライトカメラとは、わずかな光(星明かりや街灯)でもカラー撮影が可能な超高感度カメラのことです。
従来のカメラが映せなかった暗さでも、人や車の色・服装・ナンバーなどがカラーで記録できるのが大きなメリット。
特徴とメリット
- 非常に暗い環境でも鮮明なカラー映像を記録できる
- 証拠能力が高く、映像の「見やすさ」でも優秀
- 赤外線に頼らないため、反射や白飛びのリスクが少ない
注意点
- 完全な真っ暗闇では性能を発揮できない(光が“ゼロ”だと厳しい)
- 一般的なIRカメラより価格はやや高め
選び方のコツ
- 駐車場や街灯のある敷地など、わずかに光がある場所での使用に最適
- 「カラー暗視対応」や「0.01Lux」などのスペック表記がある機種を選ぶと安心
白色LED照明付きカメラの使い方
白色LEDで“照らして映す”
赤外線やスターライトカメラとは違い、白色LEDライトを点灯させて映像をカラーで撮影するタイプもあります。
特徴とメリット
- 夜間でもフルカラーの映像が撮れる
- LED照明があることで、抑止効果(不審者に威圧感)も大きい
- 店舗・住宅の外観を明るく保ちたい場合にも便利
注意点
- 夜間にライトが点灯するため、住宅街では眩しさや近隣配慮が必要
- 映像をキレイに保つには、照明の照射範囲とカメラの画角が一致している必要がある
選び方のコツ
- 照明としての役割も持たせたいなら◎
- ライトの明るさ(ルーメン)や調整機能の有無をチェック
夜間対応カメラを選ぶ際のチェックポイント
1. 使用環境に合った「視野距離」を確認
- 一般家庭(玄関前・駐車場):10〜20m
- 中規模施設(オフィス・中型店舗):20〜30m
- 倉庫・敷地全体:30m以上
2. カラーか白黒かを重視するか?
- カラー映像が必要な場合:スターライトカメラ or 白色LEDタイプ
- 証拠記録優先でOKな場合:赤外線暗視タイプで十分
3. 記録方法との連携も確認
- SDカード録画型:家庭・小型店舗向け
- HDDレコーダー連携型:複数台設置や長時間録画に最適
- クラウド録画対応:スマホでの遠隔管理も可能
よくある質問(FAQ)
Q. 赤外線カメラの映像が白黒になるのは正常ですか?
はい、赤外線撮影時は基本的に白黒映像になります。これはカメラが赤外線モードに切り替わるためで、正常な動作です。
Q. 夜間撮影中の赤外線は目に見えますか?
基本的には見えませんが、赤外線LEDがうっすら赤く点灯して見える機種もあります。人体への悪影響はありませんのでご安心ください。
Q. 夜間もカラーで映したい場合はどうすればいい?
スターライトカメラか白色LEDタイプの導入を検討しましょう。ただし、真っ暗な場所では最低限の光源が必要になるため、環境と照明条件の確認が大切です。
まとめ:夜こそ、カメラの性能が問われる
夜間対応の防犯カメラ選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 撮影環境に合わせて暗視タイプを選ぶ
- 照射距離・光感度などのスペックを確認する
- 必要な証拠の精度(カラーor白黒)を明確にしておく
技術の進化によって、暗視性能は以前より格段に向上しています。目的と設置環境に合わせた最適なモデルを選べば、夜間の安心感は大きく変わるでしょう。
初めての設置で不安な方へ
「どの暗視機能が自宅に合っているのかわからない」「店舗に合った夜間監視の方法を提案してほしい」——
そんな方は、防犯カメラの専門業者に相談してみるのが安心です。現地の明るさや環境に応じた最適なカメラ提案を受けることで、コストと効果のバランスもとりやすくなります。